【税務調査】皆様は税務調査についてどのようなイメージをおもちでしょうか?悪いイメージを抱かれる方もいるのではないでしょう。一方、税務調査の必要性をご認識されている方も少なくないのではないでしょうか。日本国は昭和22年から全面的に申告納税制度を採用しています。申告納税方式とは納税者が自身の税額を計算し日本国に申告することです。この制度は民主的であるとして評価されますが、一方で、申告が間違えることや、もれるという問題があります。したがって、申告納税方式を採用する前提として、申告を調べるという制度、すなわち税務調査が必要であることは理解できるところです。

 税務調査は申告納税と同じように義務である考えられています(質問検査権に対する受忍義務)。申告に、間違いやもれがなければ、問題となるのは、税務調査の手続や調査手法ではないでしょうか。例えば、事前通知なく突然の税務調査であると、事業者には迷惑でしかありません。また、調査官が職務に熱心であるあまり、納税者と喧嘩となることもあります(H12.2.25京都地方裁判所青色申告承認取消処分取消事件)。こうした問題に鑑み国税通則法が改正され税務調査をめぐる手続きや調査手法が明確化されました。

 そもそも課税は、国家による国民の財産権への介入です。だからこそ、税の賦課徴収は必ず法律の根拠に基づいて行われなければならないとされています。これを租税法律主義といいます。税の賦課や徴収が法律により明確であるにもかかわらず、申告納税方式を支える反対側面の税務調査は法律により明確ではありませんでした。そのため、この度の国税通則法の改正により税務調査が明確化されたことは極めて妥当ではないでしょうか。(続く

※参考文献 金子宏, 租税法